音もなく 温かく 甘い匂いがするような 雨の石畳

ラッピを出て 突然の雨に 驚いて2人で見上げた空

「ちょっと待ってて!」

そう言うと 小走りに赤レンガ倉庫の中へと走って消えた

私は ラッピの入口で佇んでいる

「ハイ!明日 また学校で」

そう言うと 1本のビニール傘を渡し 走り去って行った

私は 少し涙ぐみながらも 彼の背中に声を掛ける

彼は振り向き 手を振り そして七財橋へと後ろ姿が消えた