舞い落ちた最初のひとひらの雪は はかなく消えた。

季節はずれの雪だったが 私の頬にヤケに冷たく感じた。


春だというのに 一瞬のうちに降り積もる雪が 私の心を乱す。

全ての景色を真っ白に変え まるで白い迷路に迷い込んだよう…


四季を一日にたとえたら 秋は夕方 そして夜は冬。


冬とともに消えた私の恋は まだ終わっていないのだろうか?

決して止まない雨がないように 明けない夜はないはず…


出会いと別れを繰り返し 人は大人になるという。

この雪が消えるように 私の悲しみも消えるはず…


突然の雪に 雪宿りした教会で私は誓う。

私は教会の鐘の音に後押しされ 再び歩き出した。