僕たちは魚見坂を上り、カフェテリア・モーリエに立ち寄った。

大きな窓から、キラキラと青く輝く早春の海が、眼下に広がっている。

ここはロシア料理の店で、僕たちはピロシキとロシアンティーをオーダーした。


「これ、飲んでみたかったの」

笑顔の彼女は、ロシアンティーを飲んだ。

バラのジャムが華やかに香りが僕の鼻孔をくすぐった。


「心の中まで、温まるわ」

そう言うと、彼女は静かに目を閉じた。

彼女と付き合って初めての、春の訪れだった。


僕のハートの中で、BGMが静かに流れていた♪

そして、思ったんだ!

彼女となら、僕のハートは絶対に2つに割れることは無いってね。