ほんたうにそんな酵母ふうの 

朧ろなふぶきですけれども 

ほのかなのぞみを送るのは 

くらかけ山の雪ばかり 

宮沢賢治『くらかけ山の雪』より

さらさらの雪がまぶしいイーハトーヴの冬。 

ぼっぽぼっぽぼっぽと降る雪、きりりきりりと足をのばす氷柱… 

イーハトーヴの森は冬のあいだ一生懸命北からの風を防ぎ、やがて訪れる春を待つのだ。