ショートストーリー「夢と魔法とサンタクロース」
「函館ストーリー」とは違う、自由な発想で書いた物語です。
今回は、サンタクロースがテーマの大人のファンタジーとしました。
私、クリオネ原作の「サンタクロースは、突然に!」という物語を、ぴいなつちゃんに監修してもらい、『夢と魔法とサンタクロース』という作品として完成させました。
それでは、お楽しみ下さい!
1年でもっとも美しいと言われる、クリスマスシーズンのディズニーランドは、キラキラと美しく輝いていた。
それは夢だと、直ぐに分かったの。
だって私は、チュロスを食べながら、一人寂しくベンチに腰掛けていたから…
《なんで、ディズニーランドにいるの?私》
みんなが、笑顔だった。
子供が大きな口を開けて楽しそうに笑い、カップルの女の子はニコニコと笑顔で彼の腕をしっかりと掴んでいる。
女の子同士のグループは「ミッキー!」と叫んで、写真を撮るために走っていった。
私は、ぼんやりとそんな光景を眺めている。
「ハァ~!」
思ったより、大きな溜め息が出て、思わず口を押さえて周りを見た。
「夢とはいえ、ちょっとキツイな…」
そんな事を、つぶやいていたら、男の人が声を掛けてきた。
《こんな時にナンパ?でも、これって夢だよね?》
顔を上げて見ると、そこには白いヒゲを生やして太った中年男性が、立っていた。
《まるで、サンタさんみたい》
そう思ったのもつかの間、断りもなく隣に「ヨッコラショ」と腰掛けてきた。
「お嬢さん、こんな所でどうしたのかな?」
「今、彼がトイレに行ってて…」
とっさに出た、嘘だった。
「オッホホホ」
そのおじさんは、そう笑うと優しい眼差しで、私の目を覗き込んだ。
「どうだい、話してみないかい?個人的な悩みがあるのだろう」
何もかも見透かされているようで、私は下唇を噛み少し迷いながら、《どうせ夢の中だし》と、心の中に留めていたものを話し始めた。
「私ね、今年の9月の終わりに、仕事を辞めたの。ずーっと、仕事一筋で頑張ってきたんだけど…。社長は、いつもピリピリしてて、考え方が歪んでた。何か、ちょっとおかしいところがあって、ちょっとまともじゃないっていうか…。とにかく頭ごなしに話す癖があって、それが嫌だった。結局、最後はケンカ別れのように辞めてしまって…」
その人は、とても優しい微笑で、私の話を聞いてくれた。
「どうしてかな?私すごい人見知りする方で、初対面の人とあまりうまく話せないのに、あなたにはすんなり話せる」
その人は、返事もせず、ただニッコリと微笑んだ。
「私、このままいるのが怖いような気がして仕事を辞めたの。臆病になっていたのかな?でも、社長に辞めるって言ったらそれだけでホッとして…。今でも、まだ、ずいぶん傷ついているわ…でも、仕方がなかった」
その人は、じっと私の顔を見ていて、とても優しい声で語りかけるように言った。
「そういう立場にたてば、普通の人間なら誰でも傷つくだろうね。でも、あらゆる事には始まりがあり、いつかはそれも終わるのだよ。終わりがあるから、そこから新しい考えが出てきたり、また再出発が出来るのではないのかな?お嬢さん」
「終わりは、決して最後ではない。終わる事で始まる、何かもある。そういう事でしょ!」
「オッホホホッ、その通りだよ、七海ちゃん。メリークリスマス!」
私は、突然目が覚めた。
「エッ?七海ちゃんだなんて、どうして私の名前を知ってるの?夢?夢だよね…」
でも私は、その内容をハッキリと何から何まで、思い出すことができた。
「あの人は、きっと…本物のサンタクロースなんだ!人が傷ついて辛いときに、こうして夢の中に現れて魔法をかけてくれるんだ。なんか久しぶりに、リラックスできたなぁ…。でも、サンタさんなら、もう少し遊ばせてくれてもいいじゃない?夢だけど、ディズニーランドにいたのよ?アトラクションにも乗ってないし、ミッキーと写真も撮ってない…。よし!絶対に行ってやる!ディズニーランドに!!!」
私は、さっそく仲の良い友達に電話して、ディズニーランドへ行った。
今回の物語、『夢と魔法とサンタクロース』は、お楽しみいただけましたか?
「函館ストーリー」とは違う、自由な発想の物語、それが「ショートストーリー」です!
ラストは、主人公の七海さんがディズニーランドで楽しんでいる!というイメージ動画を挿入しました。 (動画プレーヤーが不具合で動作しない場合があります)
今回の主人公は、「七海(ななみ)」という名前の女性です。
いつものように「彼女」とか「僕」という、表現にしなかったのは、名前があった方が物語のラストが締まると思ったからです。
12月に入り、サンタクロースが登場するSFファンタジーをと、書き始めたら…
このような内容になりました(笑)
ところで、主人公の「七海」さんには、女性の皆さんなら相通じるものがあると思うのですが、いかがでしょうか?
どうぞ、自分に置き換えてお楽しみください。
さて、今回の主人公「七海」さんは、真面目で一生懸命な仕事ぶりがとても素敵な女性です。
しかし、女性ならではの理不尽な目に合い、悩みながらも仕事を辞めてしまいます。
仕事をしている方、もしくは以前にしていた方、含めてこのような経験が有る事でしょう。
やはり、女性が悩み傷つく姿は理不尽であり、それは社会や男性に責任があるように思えます。
サンタクロースは、何も子供だけのファンタジーではありません。
既婚も未婚も関係なく、あなたが悩み苦しむとき、そっと手を差し伸べてくれる…
その人が、『あなたのサンタクロース』なのです!
原作のときから大好きなこの物語を
返信削除今回、監修することができて幸せでした^^
クリオネ先生らしい
とても優しいファンタジーだなぁと
監修しながらも、ポカポカと
あたたかい空気に包まれていました^^
こんなサンタさんなら
いつでも夢に出てきてほしいなぁ^^
学校や職場や家庭や、場所はそれぞれに
違っていても、こうした理不尽な出来事は
みんな少なからず経験していると思うけど
そんなときに、黙って話を聞いてもらう
それだけで、どれだけ救われることか。
しかも、さりげなく寄り添う言葉もくれて
サンタさんの存在はとてもとても
大きいのだろうなぁと感じました^^
動画、ご機嫌がなおって
みれるようになるといいね!!
何日かしたら、みれるようになるかも?
ぴいなつが魔法をかけましょう♪♪♪^^
一足早くクリスマス気分な世界を
クリオネ先生ありがとうございまーす^^
ぴいなつちゃん
返信削除原作の時から好きだと言ってくれて、ありがとう!
とても嬉しい言葉だ。
実際に理不尽な目にあうのは、やはり女性に多いと思う。
セクハラやパワハラなど、問題になるけどそういうのとは別に…
少なからず、経験している事だろう。
今年もあと1ヶ月、コロナに振り回される1年だったね。
でも、12月といえばクリスマス。
そんな雰囲気を、ここ文筆堂でも楽しんでもらえるように
企画したけど、肝心の動画が見れません!
本当なら、「サンタクロースがやってくる」のメロディーが流れ
クリスマスのディズニーランドの様子が見れるはずだったのだが…
Googleは時々、このような事が起こるね。
どうか、イメージして楽しんでほしい。
さて、クリスマスに向けて、文筆堂はまだまだ企画があります!
お楽しみに(^o^)
こんにちは^^
返信削除今の季節にぴったりのお話ですね♪
原作もおぼえていますよ^^
ぴいなつ先生の魔法が効いていますね✨
そうなんですよね~弱い立場って、。。。人にも言えないことがあるんです。そんなとき、こんなサンタさんが現れてくれるなんて、いいなぁ~^^
ナイス☆彡
みらん先生、いらっしゃいませ〜^^
返信削除ほんと、クリスマス前にウキウキするような
ほっこりするようなファンタジーですよね^^
クリオネ先生らしいなぁと思っています!!
今回は、きっと、ぴいなつの魔法ではなく
サンタさんの魔法なのでしょうね♪♪♪
ふふふ
こんなサンタさんが、みなさんの夢に
現れますように^^
美蘭さん
返信削除原作、覚えていてくれてありがとうございます。
変わったのは、タイトルと名前ぐらいです(笑)
この、七海さんのセリフは僕が相談を受けた女性のリアルな言葉です!
僕はサンタクロースにはなれなかったですが…
当時、彼女の口から語られた言葉を一語一句、全てセリフとして再現しました。
当時、僕は話を聞いてあげることしか出来なかったという、申し訳ない気持ちから、せめて働く女性にエール!を思い、このような物語としたのでした。
クリスマスという事で、明るさを出していますが、実際にはこのような事情があったのです。
動画、見れるようになりました!
返信削除一時的な不具合だったようです。
物語の最後にご覧いただければと思います。
おおお〜!!待ってました〜^^
返信削除やっと、ぴいなつの魔法がききましたか(笑)
カワイイねぇ!夢があるわ
いまだディズニーランドには行ったことがないけど
クリスマスなんて本当にいつも以上に夢と魔法の国
なんだろうなぁ♪♪♪
すてきな動画をありがとう!クリオネサンタさん^^
動画クリスマスにぴったりですね♪
返信削除夢の魔法の国ですね^^
ぴいなつ先生の魔法でしたかぁ~~~^^
ぴいなつちゃん
返信削除美蘭さん
動画、見れるようになりました!
そうですね、ぴいなつちゃんの魔法ですね。
そして、美蘭さんの魔法でもあります(^o^)