村上春樹の絵本である。 

だが、絵本とはいえ子供向けとはいえない。 

何故って、この絵本には村上ワールドのキャラクター達が隠れているから… 

『羊をめぐる冒険』や『ダンス・ダンス・ダンス』など、怪しいモノとして登場する

“羊男”だが、本作品では愛くるしいキャラクターとなっている。 

また、『1987年のピンボール』の双子の姉妹も登場。 

この物語は、『オズの魔法使い』や『不思議な国のアリス』のような冒険活劇を思う存分に楽しめる。 

村上春樹というと顔をしかめる人でも、佐々木マキのイラストを見るだけで何となく読んでみたくなるだろう() 

ぜひ、ドーナツを用意して、この不可思議な世界を楽しんでほしい! 

なぜなら、この本を読むと無性にドーナツを食べたくなるからだ。 

寒い冬に暖かい部屋で、ドーナツとホットドリンクを飲みながら楽しみたい一冊である。