一杯のコーヒーにノートと鉛筆。

香りの向こうには、石畳の坂道が見えていた!


ふと入った元町にある喫茶店。
訪れた秋を見つけるために旅立った私は、函館へ…


何気なく浮かんだ言葉をノートに書いてみた 

恋はどちらかの思いをおきざりにし

ひとつの言葉が絡み合い誤解され すれちがう

 

「これは、誰かの歌の歌詞だったろうか?」

「それとも、誰かの小説のフレーズかな?」

でも旅の途中だし、気にしないようにしよう。 

だって、そんな物思う秋に、身を任せてみたいと思ったから。


函館カトリック教会の鐘の音が店内に響き、私は席を立った。

私の秋を見つける旅は、今まさに始まったばかり。