箱館ストーリー「クリオネ文筆堂・夏妃&康平の物語」

 

湯の川温泉の老舗旅館・波乃では、女将・松原ちなみと仲居頭を中心に、全従業員が一列に並び、朝のミーティングが行われていた。

その列の中には、女将の一人娘・松原みのりの姿もある。

彼女は、最年少の仲居・吉川ひよりの隣で、真剣な面持ちのまま静かに立っていた。

 

「昨日、文筆堂の尾崎様よりご連絡がありました。1116日、細矢夏妃様と細矢康平様のお二人が波乃へお越しになるとのことです。その日は、夏妃様のお誕生日でもあります。松の間にてお迎えしたいと思います。今回のご滞在費は文筆堂様がご負担くださるとのことでしたが、私は女将として、そしてみのりの母として、これまで通り文筆堂のお客様としてお迎えしたく、丁重にお断りいたしました。皆さんには、業務とは異なるお願いを重ねてまいりました。母としてのわがままで、ご負担をおかけしたこと、心よりお詫び申し上げます。今回が最後のご招待となります。どうか、もう一度だけ、私の願いにお力添えください。細矢様のお迎えが終わりましたら、臨時のお手当という形で、皆さんに感謝をお返しさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします」

そう言って、女将・松原ちなみは深く頭を下げた。

その姿を、みのりは一語一句を噛みしめるように、じっと見つめていた。

 

女将の挨拶が終わると、すぐに仲居頭が一歩前に出て、静かに口を開いた。

「皆さん、女将さんのお話を聞いて、どう思いましたか? 私たちは文筆堂の皆さんをお迎えして、心から感動してきましたよね。初めて文筆堂を訪れたみのりお嬢様が、私たちにこう話してくれたのを覚えていますか?《私、今日とても素敵な人たちに出会った!こんな素晴らしい経験は二度とない。だからもっと函館のことを勉強しなければならない》あの言葉の意味を、私たちは文筆堂の皆さんと出会って、ようやく理解したのだと思います。 私たちも、みのりお嬢様と同じように、素敵な人たちと出会い、二度とない経験をさせてもらいました。 それぞれが、湯の川温泉のこと、函館の未来のことを考えるようになったはずです。今の函館は、駅前に大型ホテルが次々と建ち、“ホテル戦争”とまで呼ばれています。観光客の流れも宿泊も、ベイエリアや駅前に集中しています。湯の川温泉にも大型ホテルはありますが、波乃のような旅館はどうでしょうか? 実際には、コロナ禍と変わらぬ厳しい状況が続いています。そんな中、文筆堂が制作したフリーペーパーで波乃が紹介されてから、宿泊されるお客様が増えました。湯の川温泉を訪れる観光客も、少しずつ戻ってきています。 もし、あのフリーペーパーがなかったら、どうなっていたでしょうか?今回は、文筆堂の皆さんに助けられました。そして今後は、野本直美様とみのりお嬢様が中心となって、フリーペーパー『湯の川温泉・漁り火便り』の制作が始まります。順番に、湯の川温泉の旅館やホテルが紹介されていくそうです。私たちは、ただ黙って指をくわえて見ているだけでいいのでしょうか?前回お迎えした里中様から、こんな言葉をいただきました。《波乃のみなさんも、文筆堂の仲間です》私たち一人ひとりが、何ができるのか。何をやるべきなのか。もう、答えを出す時です。文筆堂の最後のお客様となる細矢様を、心を込めてお迎えしましょう。そして、自分自身の答えを見つけましょう。――いいですね、皆さん!」

 

その言葉に、全従業員が力強くうなずき、大きな拍手が湧き起こった。

仲居頭はその光景を満足そうに見つめながら、くるりと身を翻し、再び前へと進み出た。

「今度は、私たちが文筆堂の皆さんに恩返しをする番です。女将さん、よくぞ文筆堂の皆さんをお迎えくださいました。お手当のことですが――私たちは、もう十分すぎるほどいただいています。こんなにも素晴らしい人たちと出会えたこと、それが何よりの報酬です。ですから、そのお手当は、どうかみのりお嬢様にお給料としてお渡しください。私たちの気持ちです。どうか、お願いいたします」

その言葉に、全従業員が声を揃えて「お願いします!」と叫び、深く頭を下げた。

女将・松原ちなみはその場に立ち尽くし、顔を覆って涙をこぼした。

その隣に、みのりが静かに歩み寄り、母の隣で従業員たちに向かって、いつまでも頭を下げ続けていた。

 

日曜日の昼下がり。

文筆堂では、夏妃と康平がふたりで店番をしていた。

朝から外出する予定だった栗生姉と入れ替わるように、ふたりは店にやって来て鍵を開けた。

開店と同時に、数組の観光客が訪れた。

夏妃は笑顔で接客にあたり、康平はサロンのカウンターでコーヒーを淹れていた。

昼を過ぎ、客足が落ち着いた頃、函館ハリストス正教会の鐘の音が風に乗って店内に届いた。

ふたりは手を止め、静かに耳を澄ませた。

 

鐘の音が途切れると、夏妃が康平の方へ向き直った。

「康平さん……私、今回のフリーペーパー制作、ほとんど参加できなかったの。麻琴ちゃんのプレゼント選びに夢中になってしまって……みんなが頑張ってる時に、私は……」

「夏妃、それでいいんだよ。あのプレゼントは、夏妃だからこそ見つけられたんだ。直美ちゃんも言ってたじゃないか。《もし私が選ぶ側だったら、こういうプレゼントは探せないし選べないと思います》って。麻琴ちゃんを想う夏妃の気持ちを、みんながちゃんと分かってる。夏妃は、すごく良い仕事をしたんだよ」

康平の言葉に、夏妃の頬を一筋の涙が伝った。

その涙を合図に、彼女は康平の胸にそっと身を預けた。

 

サロンの入り口近く。

柱の陰に身を潜め、声を殺してこの光景を見ていたのは、冬果と青田亜弓だった。

《これが……大人の恋なのか》

ふたりは、思わず自分自身に置き換えて想像していた。

もし、自分がこんな場面に立ち会ったら、果たしてこんな展開になるのだろうか?

《無理……康平にいさんみたいな大人じゃないし……》

冬果と亜弓は、同時に同じことを考え、それぞれが頭を振って想像を振り払おうとしていた。

「だいたい、奏ちゃんは私より年上なのに頼りないし……」

「卓也くんなんて、どう見たって弟キャラだし……

どうやら、ふたりの恋の行方は、まだまだ先のようだ。

 

そんなことも知らずに、栗生姉と奏太朗、桐山卓也の三人は、近くのリサイクルショップを訪れていた。

「文筆堂にアンティークの家具や電化製品を置いたらどうかな?」

これは、前日の土曜日、文筆堂で卓也がふと口にした一言だった。

その提案に栗生姉と奏太朗が乗り、翌朝一番でフリーマーケットを回り、その後アンティークショップへ行こうと盛り上がったのだった。

 

一方、麻琴は亮介とともに部屋でのんびりと過ごしていた。

亮介はクラシック音楽を静かに流しながら、読みかけの小説に目を落としている。

麻琴は、夏妃が選んでくれた誕生日プレゼント――黒猫のぬいぐるみを抱きしめながら、テレビのバラエティ番組をぼんやりと眺めていた。

久しぶりに仕事から解放された麻琴は、家で過ごすこの時間が何よりの贅沢だと感じていた。

「お昼、どうするのかな……

ちらちらと亮介に視線を送るが、彼は小説から目を離そうとしない。

気づいていないのか、それともわざと無視しているのか――麻琴には、まだ分からなかった。

 

その頃、野本直美と尾崎は、長らく更新が止まっていたブログ『浪漫函館』の編集作業に取りかかっていた。

新しく立ち上げるクリオネ文筆堂のホームページに、『浪漫函館』をカテゴリーとして設ける予定だった。

しかし、ふたりが岩手へ帰るという話が出てから、作業は止まったままになっていた。

尾崎の提案で、まずはホームページのタイトルやデザインよりも、どんな内容にするかを考えることになり、直美は自分の想いを尾崎に語り始めた。

 

そして、柊二と梨湖は、市内の不動産屋を回っていた。

ふたりで暮らす新しい住まいを探すためだ。

「住むなら、西部地区がいい」

梨湖は以前からそう言っていて、柊二もその考えに賛成していた。

函館の歴史を見守ってきた坂道。

その麓に広がる西部地区こそ、これからふたりが函館のために何かを成し遂げるのにふさわしい場所だと信じていた。

「それに、文筆堂に近いのが一番のポイントだな」

柊二はそう言って、梨湖と並んでベイエリアから八幡坂を見上げた。

 

10月も半ばを過ぎ、函館山が少しずつ色づきはじめた頃。

尾崎は康平と夏妃を、ベイエリアにある喫茶店へと呼び出した。

ふたりが訪れたのは「茶房 旧茶屋亭」。

明治末期の古民家を改装したカフェで、1階は和風、2階は洋風という和洋折衷の造り。

洋風アンティーク家具が並ぶ店内には、大正ロマンの空気が静かに漂っていた。

「康平くん、夏妃ちゃん。わざわざこんなところに呼び出して、すまないね」

そう言って頭を下げる尾崎の隣には、野本直美が立っていた。

彼女も尾崎と一緒に、深々と頭を下げた。

「尾崎先生、直美ちゃんも……そんなふうに頭を下げるのは、やめてください」

康平が慌てて声をかける。

隣で夏妃は、緊張したまま言葉もなく、固まっていた。

 

「この店は、僕のお気に入りなんだ。直美ちゃんがふるさとへ帰ってからの4年間、僕はずっとこの店で過ごしていた。あの頃は、直美ちゃんへの想いを、この店に置いていたんだよ……

尾崎の言葉に、康平は胸が締めつけられるような痛みを覚えた。

夏妃は、康平の手を強く握りしめながら、頬を伝う涙をぬぐおうともしなかった。

「尾崎先生……」

優しく声をかける野本直美に、「あぁ、すまないね」と尾崎はそっと指で涙を拭った。

 

「康平くん、夏妃ちゃん。勝手で申し訳ないのだけれど、1116日に波乃の松の間を予約したよ。その日は、夏妃ちゃんの誕生日だ。文筆堂のメンバーで波乃に行くのは、君たちが最後になる。このことは、波乃にも女将さんにも相談済みだ。費用はすべて文筆堂で支払うと伝えたが、女将さんは丁寧に断ってくださった。これまで通り、波乃からの招待券がここにある。どうか、受け取ってほしい。勝手に日程を組んでしまって申し訳ないけれど、こうでもしないと、君たちは波乃に行こうとしないだろう? あの招待状を渡そうとした時、《そのまま預かっていてほしい》と言ったのは、康平くんだったよね。今回は、文筆堂のみんなからも“夏妃ちゃんの誕生日は波乃で迎えてほしい”という声があった。仕事の都合もあるだろうから、今日こうして直接伝えている。これは、文筆堂のみんなからの誕生日プレゼントなんだよ」

尾崎の優しい語りに、康平は深々と座礼し、夏妃は大粒の涙を流しながら、何度も何度も頭を下げた。

 

野本直美は、涙をためた真っ赤な目で、このやり取りを見守っていた。

この計画はすべて尾崎ひとりのアイデアであり、波乃や栗生姉への交渉も、尾崎がすべて担っていた。

自分はただ、隣にいるだけだった。

そして、高校生の冬に函館を離れた後の尾崎のことを、彼女は今初めて聞かされた。

胸の奥で、複雑な感情が静かに交差していた。

《これは尾崎先生が、すべて一人で考えたこと。栗生姉にいさん以外は、まだ誰も知らない。 夏妃ねぇさんを想う、尾崎先生の心を、どうか分かってほしい》

その心の声は、康平にははっきりと聞こえていた。

深い感動の中で、彼は静かに思った。

《これが……亮介くんが言っていた、直美ちゃんの“心の声”か?僕にも、ちゃんと聞こえた》

康平は、野本直美を見つめて「直美ちゃん、ありがとう」と心の中でつぶやいた。

直美は、康平の視線を受け止め、そっと頷いたのだった。

 

1116日、日曜日。

朝早くから、波乃には冬果と奏太朗、青田亜弓と桐山拓也が訪れ、それぞれが掃除などの手伝いに精を出していた。

前日、尾崎が波乃に打ち合わせへ行くと聞き、「自分たちも連れて行ってほしい!」と申し出たのだった。

柊二と梨湖は数日前から波乃に滞在しており、柊二はフロント業務、梨湖は仲居の手伝いをしていた。

そのことを知らなかった冬果たちは、目を丸くして驚いていた。

 

一方、栗生姉は文筆堂にひとり残り、いつもより早く店を開けると、さっそく観光客が訪れ、対応に追われていた。

麻琴と亮介は、夏妃への誕生日プレゼントを探すため、前日から札幌へ向かっていた。

函館市内では麻琴が納得する品が見つからず、「だったら札幌へ行こう!私、みよしののぎょうざカレーが食べたい」と言い出した。

ふたりは狸小路商店街2丁目の店で食事をし、麻琴は「帰りにぎょうざをテイクアウトする!」と宣言。

亮介は「やれやれ」と頭を抱えていた。

 

その頃、野本直美は康平と夏妃とともに、湯川町にある「月のしずく工房」を訪れていた。

康平がどうしても行きたいと願っていた場所で、明治時代の情緒を残す土蔵と、元質屋だった古民家が並ぶ空間。

土蔵では陶芸教室が開かれ、元質屋の店舗は手作り雑貨のギャラリーとなっていた。

 

野本直美は、次回のフリーペーパー『湯の川温泉・漁り火便り』で、この工房を紹介したいと考えており、取材交渉のために訪れていた。

康平から「夏妃と一緒に行かないか?」と誘われたのがきっかけだった。

取材交渉を終えた直美は、店主・中田千晶に後日改めて訪れる旨を伝え、康平と夏妃に礼を述べて、文筆堂へ向かうと見せかけて一足先に波乃へ向かった。

その頃、康平と夏妃は中田千晶に「マグカップを作りたい」と相談していた。

工房に案内されると、千晶の夫・紀行が待っていて、ふたりのイメージに耳を傾けてくれた。

アクセサリー作家である康平のアイデアは、「母娘の絆」をテーマにしたマグカップ。

それは、波乃の女将・松原ちなみと娘・松原みのりへのプレゼントとして、康平と夏妃が共同で制作する一品だった。

その日、昼過ぎまで4人は話し合いを重ね、やがて数ヶ月の時間を経て完成したマグカップは、ふたりからのメッセージを添えて波乃へ届けられた。

 

波乃に到着した野本直美は、ちょうど休憩中だった尾崎や松原みのり、冬果と奏太朗、青田亜弓と桐山拓也、柊二と梨湖に、次回のフリーペーパーで「月のしずく工房」を紹介したいと伝え、取材許可を得たことを報告した。

ただし、康平と夏妃が同行していたことは語らず、「後日、みのりちゃんと一緒に取材に行く」と話した。

 

やがて、早めに到着した宿泊客が一組、二組と荷物を預けにやって来た。

フロントでは柊二と梨湖が笑顔で対応し、チェックインまでの時間を楽しめるよう、手書きの湯の川温泉観光マップを渡していた。

奏太朗と桐山拓也は、預かった荷物に宿泊客の名前を書いたタグを付け、バックヤードへと運んでいく。

冬果と青田亜弓はロビーで次々と訪れる宿泊客の対応に追われ、松原みのりと野本直美は、15時から提供する銀月のお団子とお茶の準備を進めていた。

その光景を満足そうに眺めていた尾崎は、女将・松原ちなみと仲居頭に感謝の言葉を述べた。

 

「女将さん、仲居頭さん。昨日から大勢で押しかけてしまい、申し訳ありません。どうしても、みのりちゃんと一緒に仕事がしたい、波乃のお手伝いがしたいと、みんなが言い出しまして……。ご迷惑でなければ良いのですが」

「尾崎様、こちらこそ感謝申し上げます。 函館空港が近いため、荷物だけ先に預けたいというお客様も多いのですが、これまではただ預かるだけでした。周辺に観光スポットがあるのに、それを紹介することもなく、小さな旅館ながら、玄関でお客様をフロントまでご案内することすらしていませんでした。湯の川温泉の老舗旅館として、恥ずかしい限りです。とても勉強になりました。明日から、サービスを見直し、おもてなしを徹底いたします」

そう言って、女将と仲居頭は深々と頭を下げた。

近くにいた従業員たちも、慌てて頭を下げた。

 

その時、波乃で最も若い仲居・吉川ひよりが時計を見ながらやって来た。

「女将さん、尾崎先生。そろそろお時間です」

尾崎は文筆堂のメンバーに声をかけ、全員がロビーに整列した。

女将、松原みのり、仲居頭、そして従業員たちに向かって、挨拶をする。

「それでは、女将さん、みのりちゃん、そして皆さん。これから細矢夏妃さんと細矢康平さんが到着されます。今日は宿泊客の皆さんも多いと伺っていますが、このようなお忙しい中、細矢夫妻を迎えていただき、心より感謝申し上げます。リーダーの栗生姉に代わりまして、厚く御礼申し上げます」

尾崎の言葉に続き、全員が揃って深く頭を下げ、波乃を後にした。

 

帰り道、一行はバスに乗って啄木小公園前で下車。

啄木の坐像に向かい、夏妃の誕生日を祝い、康平との幸福を祈った。

尾崎が野本直美に目配せをすると、直美が声を上げた。

「今日は、お疲れ様でした。このことは夏妃ねぇさんや康平にいさんには内緒だけど、私たちなりに波乃への感謝を伝えられたと思います。そして、ご褒美として――栗生姉にいさんと尾崎先生から、皆さんを六花亭のカフェに招待するように言われて、予約しています!さあ、時間がないので急いで行きましょう!」

「わぁー!」と歓声が上がる中、尾崎は栗生姉に電話をかけて感謝の言葉を伝え、野本直美は抱きついてきた梨湖を笑顔で迎えていた。

 

夏妃と康平は、チェックインの少し前に波乃へ到着し、女将・松原ちなみに挨拶をした。

そのまま松の間に通されると、松原みのりと仲居の吉川ひよりが、お茶と千秋庵の和フィナンシェを運んできた。

吉川ひよりが退室した後、4人はしばし談笑を楽しんだ。

普段は甘いものを口にしない康平が、「これは美味しいな。僕でも分かるよ」と笑顔で話すと、場が和やかに包まれた。

 

やがて、康平と夏妃は姿勢を正し、「本日はご招待、ありがとうございます」と深々と頭を下げた。

康平は、小さな箱をふたつ取り出し、松原ちなみとみのりに手渡した。

それは、康平がデザイン・制作した帯留め。

アクセサリー作家としての手仕事が光る、心のこもった贈り物だった。

続いて夏妃は、小川未明の童話『ねこ』を朗読し、自ら描いたイラスト付きの作品を手渡した。

この童話は、子猫を思う母猫の深い愛情を描いたもので、夏妃は優しい声で語りかけるように丁寧に読み上げた。

女将・松原ちなみの母としての深い愛情を、童話の母猫に重ね、「いつか松原みのりが母になった時、自分の子どもに語り継いでほしい」――そんな願いが込められていた。

 

“松の間”には、静かな感動が満ちていた。

松原ちなみは康平の帯留めを胸に握りしめ、松原みのりは夏妃の作品を大切に抱え、ふたり揃って何度も「ありがとうございます」と頭を下げた。

康平は、そっと語りかけた。

 

「女将さん、本日は夏妃の誕生日に、こうして“松の間”にご招待いただき、本当にありがとうございます。 尾崎先生から伺っておりますが、私たちは文筆堂の最後のメンバーとなりました。 誰かの手助けがなければ、予約すらできなかったと思います。これまで波乃に招かれた仲間たちは、顔つきが変わり、一皮むけたような表情で文筆堂に戻ってきました。みんなが真剣に函館の未来を考え、野本直美さんとみのりちゃんに、私たちはその夢を託すことにしました。文筆堂に、誰かに連れて来られることなく、たった一人でやって来たのは――松原みのりちゃんだけなんです」

康平が語尾を強めると、夏妃が大きく頷き、話を継いだ。

 

「女将さん、文筆堂という場所は、チャチャ登りを上がってもたどり着けないと言われています。実際、柊二くんと梨湖ちゃんもそうでした。直美ちゃんのブログ『浪漫函館』を見つけて文筆堂に来たのは、みのりちゃんと同じですが、彼らは何度も元町を訪れてようやくたどり着いたのです。不思議なことに、観光客や地元の人でさえ、文筆堂を見つけられないと言います。尾崎先生は、遠野物語に登場するマヨイガのような現象だと語り、元町という場所が文筆堂に不思議な力を与えているのではないかと解説しています。でも、みのりちゃんは迷うことなく、たった一人で文筆堂にたどり着いた。それこそが、直美ちゃんの後継者である証。 尾崎先生と野本直美さんは、みのりちゃんと出会うために函館に来たのではないでしょうか。私たちとの出会いも、波乃の皆さんとの出会いも、尾崎先生と直美ちゃんがいたからこそ。それは、きっと運命だったのだと、私たちは思っています。これからは、湯の川温泉も波乃も、みのりちゃんや吉川ひよりちゃんが、女将さんの意思を、波乃の精神を、立派に受け継いでいくことでしょう。そのためにも、私たち文筆堂のメンバーは一致団結して支えていきます。こうして“松の間”に招いてくださった女将さんのご恩を、私たちは決して忘れません。本日は、本当にありがとうございました」

そう言って、夏妃と康平は深々と頭を下げ続けた。

 

その頃、“松の間”の前では、お茶のおかわりを持って来た仲居頭と吉川ひよりが、声をかけても返事がなく、「失礼します」と襖を少し開けた。

夏妃の言葉に、ふたりは声を殺して立ち尽くし、涙を流していた。

その光景を目にした波乃の従業員たちは、事情を察し、感動は瞬く間に館内に広がっていった。

松原ちなみと松原みのりは、手を取り合い、大粒の涙を流しながら、声にならない声で何度も「ありがとうございます」と呟いていた。

 

やがて、宿泊客が次々とチェックインに訪れ、波乃も忙しくなりはじめた。

女将・松原ちなみは松の間を離れる際、娘のみのりにこう告げた。

「細矢様に、お風呂や館内をご案内しなさい」

そう言って深く座礼をし、ロビーへと向かった。

その後、松原みのりは夏妃と康平を連れて、波乃自慢の温泉や館内を案内していた。

すると康平が声をかけた。

 

「みのりちゃん、もういいから仕事に戻りなさい。忙しいようなら、夏妃に何か手伝わせよう。 僕は玄関の掃除でもしながら、お客様に挨拶でもしようと思う」

「康平にいさん、夏妃ねぇさん!そんなことをしてもらっては困ります。今日は、夏妃ねぇさんのお誕生日です。どうか、お風呂や松の間で、のんびり過ごしてください。それに……黙っているように尾崎先生から言われていましたが、康平にいさんや夏妃ねぇさんがいらっしゃる直前まで、尾崎先生や直美ねぇさん、柊二にいさんや梨湖ねぇさん、奏太朗にいさんや拓也くん、冬果ちゃんや亜弓ちゃんが前日から来て、お掃除や仲居の仕事、フロント業務まで手伝ってくれたんです。皆さんが、“夏妃ねぇさんのお誕生日なのに、何もしないわけにはいかない”とおっしゃっていて、お母さんも、波乃の皆さんも、心から感動していました。これが、文筆堂のなんだと思って……私、感激しています……

そう言うと、みのりは大きな瞳に涙をいっぱいためて、言葉に詰まってしまった。

 

夏妃は、涙を浮かべる松原みのりをそっと抱きしめた。

「ありがとう、ありがとう」――何度も繰り返すその言葉に、みのりも「夏妃ねぇさん!」と声を震わせながら、背中に回した手に力を込めた。

康平は、ふたりのそばに静かに立ち尽くしていた。

胸の奥に、言葉にならないほどの感動が広がっていた。

《今日、波乃に来て本当によかった。夏妃の誕生日とはいえ、これほど心を揺さぶられる瞬間は、もう二度とないかもしれない。尾崎先生、直美ちゃん、そしてみんな――本当に、ありがとう》

その想いは、静かに、深く、波乃の空気に溶け込んでいった。

 

夏妃と康平は、“松の間”でのんびりとした時間を過ごしていた。

特に康平にとっては、函館を出たことがなく、自宅以外に宿泊するのも初めての経験だった。

夏妃は、そんな康平に、かつて函館駅ですれ違った“別れの日”から、再び出会うまでのことを静かに語った。

康平も、自分たちの再会は野本直美ではなく、麻琴によるものだったと振り返った。

「もし、夏妃が弥生町のクレープ屋――アンジェリック・ヴォヤージュで、麻琴ちゃんが声をかけてこなかったら…… 僕らはまたすれ違って、もう二度と会うことはなかったかもしれない」

「そして、麻琴ちゃんが直美ちゃんと出会わなければ、尾崎先生や栗生姉にいさん、みんなとも出会えなかったでしょうね」

そう言った夏妃は、ふと黙り込んだ。 康平は、少し笑って言った。

「そうだな……麻琴ちゃんは、卓也くんが言うように“魔女”なのかもしれないな」

ふたりは顔を見合わせ、そっと微笑み合った。

 

その後、波乃の料理長が腕を振るった特別料理がふたりに供され、夏妃と康平はその夜、久しぶりに寄り添いながら朝を迎えた。

 

湯の川温泉のチェックアウトは早い。

宿泊客が一組、また一組と波乃を後にする姿を、夏妃と康平はロビーの隅から静かに見守っていた。

邪魔にならぬよう、ふたりは言葉を交わさず、ただその光景に目を向けていた。

「お世話になりました」

「また来ますね」

―― 笑顔で語りかける宿泊客に対し、女将をはじめ仲居、そして白衣姿の調理士までもが玄関まで出向き、丁寧に挨拶を交わしていた。

手を振るその姿に、夏妃と康平は感心しながら見つめていた。

特に、若い仲居・吉川ひよりの姿は印象的だった。

誰よりも明るい笑顔、通る声、そしてキビキビとした動作――そのひとつひとつが、波乃のを体現していた。

最後の宿泊客が玄関を出ると、館内は一瞬、静寂に包まれた。

遠くから聞こえる波の音が、ロビーまで届いていた。

元町にあるクリオネ文筆堂では感じられない、風と潮騒が奏でるこの空気を、夏妃と康平はしっかりと耳に刻んだ。

 

やがて、ロビーには松原みのりと全従業員が集まり、女将・松原ちなみから夏妃へ、誕生日のお祝いとして豪華な花束が贈られた。

松原みのりからは、康平へ湯倉神社に特別にお願いしていただいた御朱印が手渡された。

そして、女将から娘・みのりへの日頃の感謝の言葉が静かに伝えられた。

仲居頭からは、フリーペーパー『漁り火便り』への宿泊客の反応が報告され、さらに、若い仲居・吉川ひよりが今後、出向という形で週2回ほど文筆堂に通うことが告げられた。

その知らせに、夏妃と康平は驚きながらも、静かに頷いた。

波乃と文筆堂――ふたつの場所が、またひとつ深く結ばれていく予感が、そこにはあった。

 

夏妃と康平は、ふたり揃って深々と頭を下げた。

そして、夏妃が静かに口を開いた。

「女将さん、波乃の皆さん――本日はご招待いただき、ありがとうございました。先に宿泊された仲間たちが文筆堂に戻ってきて、波乃での体験談を嬉しそうに、楽しそうに話してくれました。その様子を見て、私も康平さんも早く行きたいねとよく話していました。でも、どうしても遠慮があって……尾崎先生に背中を押されて、ようやくこうして来ることができました。さきほど、フリーペーパーのお話がありましたが―― 私も康平さんも、今回の制作にはほとんど関われず、申し訳ない気持ちでいました。今回の『漁り火便り』は、文筆堂のメンバーひとりひとりが積極的にアイデアを出し、まさに“一丸”となって取り組んだものです。私たちは、いつも尾崎先生や野本直美さんに“おんぶに抱っこ”でした。 難しいことは直美ちゃんがやってくれる。面倒なことは尾崎先生が交渉してくれる。いつの間にか、そう思っていたんです。直美ちゃんに憧れて、みのりちゃんや梨湖ちゃんのような若い人が増えて、文筆堂が賑やかになっていく中で―― まるで自分も若返ったように、一緒になってワイワイしている自分がいました。そんな時、尾崎先生から《郷里の岩手へ、直美ちゃんと一緒に帰る》と告げられて―― そこで、ハッと気がついたんです。私たちは、リーダーの栗生姉や里中麻琴と、何度も何度も話し合いました。尾崎先生と直美ちゃんが岩手へ帰るのも、やむなし”――そんな空気が漂う中で、 たった一人、目に涙をいっぱいためた松原みのりさんが、こう言ったんです。《絶対に、ふたりを函館に引き止める!》その一言が、私たちを大きく変えました」

夏妃の語る言葉は、波乃のロビーに深く響いていた。

誰もが真剣に耳を傾け、静かにその想いを受け止めていた。

 

「大森海岸にある石川啄木の坐像は、文筆堂のメンバーにとって“聖地”なのです」

康平の言葉が、波乃のロビーに静かに響いた。

「みのりちゃんの言葉に背中を押され、函館に留まる決意をした野本直美さんと尾崎先生は、大森海岸の啄木坐像の前で祈りました。文筆堂の仲間たちへの感謝と、これからも一緒に函館を愛していくことを願って――。そして、“文筆堂のメンバーで啄木小公園に行こう!”という話が出たとき、みのりちゃんが言った言葉が印象的でした。《私は一人で大森海岸へ行きます。そして、裸足になって直美ねぇさんが歩いた砂浜を歩きます。そうすることで、直美ねぇさんの想いを私は肌で感じたいからです》野本直美さんが、自分自身よりも尾崎先生を大切に想うように―― みのりちゃんは、野本直美さんを通して、函館の未来を大切に考えるようになった。今や、みのりちゃんは誰よりも文筆堂の“リーダー”なのです」

康平の言葉に、女将や数人の従業員が思わず涙をこぼした。

しかし、当の松原みのりは真剣な眼差しで夏妃と康平を見つめていた。

その隣で、吉川ひよりがそっとみのりの手を握っていた。

 

「みなさん、みのりちゃんがショートカットだった髪を、いつから伸ばし始めたか知っていますか?」

夏妃は、少し笑みを浮かべながら続けた。

「かつて、野本直美ちゃんにみのりちゃん、亜弓ちゃん、卓也くんが注意されたことがきっかけだったそうです。《直美ねぇさんと同じセミロングにするんだ!》そうはしゃいでいたみのりちゃんの顔は、いつになく輝いていました。文筆堂のメンバーの中で、栗生姉にいさんはともかく―― みのりちゃんは、いつも一人でした。恋人と呼べる人も、きっといないはずです。私たちや麻琴ちゃんたちは夫婦で、それぞれにパートナーがいます。 でも、普通なら文筆堂のようなお店に、女子高生が一人で入ってくることはありません。 観光客も、カップルやグループで訪れるのがほとんどです。みのりちゃんが“ひとりっ子だから強い”というわけではなく―― 真剣に函館の未来を考え、自分一人でも何とかしようという強い決意を持っているからだと思うのです。私たちは、みのりちゃんと出会って、まだまだスタートラインにも立っていなかったのだと気づかされました。波乃に招待していただき、それぞれが自分の道筋を見つけました。そして、柊二くんと梨湖ちゃんが“文筆堂として湯の川温泉を応援したい。みのりちゃんや波乃のためにも、湯の川温泉のフリーペーパーを制作したい!” ――そう言ってくれたことで、ようやく私たちはスタートラインに立てたのだと思います」

夏妃の言葉が静かに終わると、ロビーには深い余韻が残った。


こうして、夏妃と康平は湯の川温泉旅館・波乃を後にし、大森海岸にある啄木小公園に立ち寄った。

そしてその後、ふたりはゆっくりと自宅でくつろいだ。

 

やがて、夏妃が朗読した童話『ねこ』は、麻琴がタイトルと背景画像をデザインし、亮介が夏妃の描いたイラストと朗読音声をシンクロさせたスライドショー映像を制作した。

その映像は、波乃のロビーでいつでも視聴できるように設置され、小さな子どもを連れた家族連れに好評を博した。

画面に食い入るように見入る子どもたちの姿が、波乃の日常に新たな彩りを添えていた。

 

翌日、夏妃と康平は文筆堂を訪れた。

そこには、メンバー全員が待っており、ふたりは波乃での宿泊を報告し、感謝の言葉を伝えた。

その場には、松原みのりと吉川ひよりの姿もあり、ふたりは真剣な眼差しで、夏妃と康平の一語一句に耳を傾けていた。

話が終わると、野本直美から夏妃へ、大きな花束が手渡された。

続いて、冬果と青田亜弓が声を揃えて言った。

「夏妃ねぇさん、お誕生日おめでとうございます!」

「おめでとう!」 メンバー全員の声が重なり、大きな拍手が夏妃と康平を包み込んだ。

 

「夏妃ちゃん、今日のメインイベントだよ!さぁ〜、麻琴ちゃんの出番だぞ!」

栗生姉の合図で、みんなが手拍子を始めると、麻琴がにこやかに奥から現れた。

手には、大きなリボンがついた箱を大事そうに抱えている。

「夏妃ねぇさん、お誕生日おめでとう!これは、みんなからのプレゼントです。わがまま言って、私が独断と偏見で選びました!」

そう言って麻琴がプレゼントを手渡すと、歓声が上がった。

夏妃は涙ぐみながら、「ありがとう、ありがとう」と何度も頭を下げた。

みんなが見守る中、麻琴が選んだプレゼントが開封された。

中には、オリジナル缶の『白い恋人』と、シマエナガのライト。

そして、康平にはおたるワインが贈られた。

 

「エヘン!」

麻琴が咳払いをして、ドヤ顔で語り始めた。

「夏妃ねぇさんへのプレゼントはね、亮介さんと札幌まで車で行って、いろいろ悩んだんだけど―― めっちゃ王道かもしれないけど、『白い恋人』のオリジナル缶を作ってきたよ! 夏妃ねぇさんと康平さんの、めっちゃ素敵なツーショットが私のスマホに入ってたから、それで!それから、シマエナガのライト。ふんわりした優しい灯りでね、みんなを包み込むような雰囲気が、夏妃ねぇさんにぴったりだなって思って。 夜にこの灯りの下で、康平さんとワインなんて、いいかなぁと思って――途中で小樽に寄って、ワインも買ってきたんだよ!」

「麻琴ちゃん……!」

夏妃は思わず麻琴に抱きつき、康平はその隣で深々と頭を下げた。

 

こうして、今年もまた、文筆堂の仲間たちとともに、夏妃の誕生日を祝うことができた。 

栗生姉はそっと胸をなで下ろし、尾崎は手を差し出して、固い握手を交わした。

 

END

 

あとがき:『誕生日の灯りがともる頃』

11/16日は美蘭さんのお誕生日です!

今回の夏妃(美蘭さん)の誕生日を迎える物語は、ひとつの祝いの場面でありながら、文筆堂の仲間たちの絆、波乃という場所の温もり、そして函館という街の静かな息づかいが、そっと重なり合う時間となりました。

誰かの誕生日を祝うという行為は、過去と現在と未来をつなぐ小さな儀式のようなものかもしれません。

この物語では、夏妃というひとりの女性の歩みが、仲間たちの記憶と想いに照らされながら、やさしく浮かび上がっていきます。

朗読された童話『ねこ』に込められた夏妃の愛。

麻琴が選んだプレゼントに込められた友のまなざし。

そして、松原みのりの真っ直ぐな言葉が、文筆堂の未来を照らしていく。

それぞれの贈り物は、モノでありながら、心の灯りでもありました。

その灯りが、波乃のロビーに、文筆堂の空気に、そして読者の胸の奥に、そっと灯っていくように心がけました。

この物語を通して描かれたのは、誕生日という“個人の記念日”が、いつしか“みんなの記憶”になっていく過程。

それは、静かで、あたたかくて、そして何よりも美しい時間です。

読んでくださった皆さまの心にも、夏妃(美蘭さん)の灯りが、そっと残りますように。

「美蘭さん、お誕生日おめでとうございます!」

 

※今回で、湯の川温泉・波乃を舞台にした「箱館ストーリー」は一旦、終了となります。

 今後は、吉川ひよりを加えた新たな文筆堂の物語へと続きます。

 夏妃さんへのプレゼントは、実際に麻琴・ぴいなつちゃんが考えたものであり、物語のセリフもぴいなつちゃんの言葉そのままでの掲載となりました。

 麻琴(ぴいなつちゃん)が選んだプレゼントに込められた友のまなざし、これはぴいなつちゃんそのままの気持ちである事を付け加えておきます。


・「白い恋人オリジナル缶」

北海道土産としておなじみの「白い恋人」。

製造・販売を行うISHIYA(石屋製菓・石屋商事)では、パッケージ缶にお客様の好きな写真をプリントしてオリジナル缶を作製するユニークなサービスを行っている。

ラング・ド・シャクッキーでホワイトチョコレートを挟んだ白い恋人は、1976年の発売以来、長年愛されているお菓子で、ハートの中に北海道の利尻山が描かれたパッケージ缶が有名だが、オリジナル缶ではそこにお気に入りの写真を入れることができます。

このサービスを体験できるのは、新千歳空港内の「イシヤカフェ新千歳空港店」と札幌市にある工場併設の観光施設「白い恋人パーク」。

・「シマエナガのランプ」

ころっとした愛らしいシマエナガが特徴のこのランプは、どこに置いても心を和ませるアイテム。
優しい光がふんわりとお部屋を包み込み、リラックスした雰囲気を醸し出す。

北海道小樽市の旧手宮線沿いにあるガラス工房「グラスアートエヌプラス」にて制作販売されている

・「おたるワイン」

北海道小樽市にある北海道ワインは「日本ワイン」という言葉が生まれる前から、国産のぶどうを使ってワインを造り続け、生ぶどうだけを使い非加熱の生ワインにこだわって造り続ける北海道を代表するワイン醸造所。

画像は毎年ごとにぶどうの組み合わせ・ブレンドの比率を変えてつくる、通称「秋おたる」と言われる初秋発売・道内限定販売のワインシリーズで、麻琴が康平に贈ったワインです

・「みよしのぎょうざカレー」

北海道・札幌には、ぎょうざ専門店なのに、ぎょうざだけでなくカレーも人気のファストフードチェーン店の「みよしの」(1967年創業)がある。

その中でも定番のメニューとなっているのが“札幌市民のソウルフード”と言われる「ぎょうざカレー」。

カレーの上にぎょうざが3つトッピングされたぎょうざカレーは、その安さと毎日食べても飽きない味で根強い人気となっている。