またまた前回に続き、11月末に行った函館旅行にて浮かんだストーリーを形にしました!

函館ストーリー「ずっと このままで・・・」

 

今日は クリスマス・イブ…

キラキラ煌めく雪が 聖夜の全てを包むように朝から降り注いでいる

ベイエリアでは 甘く甘く優しい2人だけの時間を作り出しているカップルが

クリスマスツリーをバックに写真を撮りあっていた


ずっと このままで・・・

僕は 彼女の手をギュッと握った

 

函館は いつになく賑やか過ぎるほど 街の灯に彩られている

僕は 昨年のクリスマスを思い出していた

一人で寂しく部屋に取り残された独りの夜の寒さを

ふと 寂しさがよぎったが 若いカップルの歓声にその想いが消えていった

 

「函館は けっこう寒いなぁ~!」

柊二 冬なんだから寒くて当然だよ…」

「いや東京に比べてという意味だよ でも雪がライトアップされた赤レンガ倉庫を幻想的に浮かび上がらせているね」

そう言うと僕は ポケットに忍ばせた携帯カイロを握りしめる

 

梨湖が 僕の腕に手を絡めてくる

柊二 一緒に函館に来てくれて ありがとう!」

梨湖 嬉しいこと言ってくれるね…」

「素直に口にするのって私は苦手だけど 今日なら言えるかな?柊二はいつも私のすぐ近くにいてくれるから でも伝えるって難しいよね 私は特にそういうのが不器用だから…」

梨湖 僕はどんなに叶わなそうな相手でも もしかすると馬鹿にされる事があっても 好きになる相手は自分で選ぶよ だから僕は梨湖と一緒に函館に来たんだ」

ねぇ~寒くないのかなぁ?あのカップル 私たちは熱くて汗が出そうだけどね」

そう言うと梨湖は微笑み そして一筋の涙を流して僕を見た

 

赤レンガ倉庫のライトアップに キラキラ煌めく雪が僕の心の奥まで照らすように

甘く甘く 優しい夢を見せてくれる

ずっと このままで・・・


道端に咲く 季節外れの白い花を探すように 東京での毎日が私の気持ちを迷わせていた

私の居場所は どこにあるの?

そんな都会での葛藤を 柊二が受け止めてくれた

凍りつくような私の心を体を抱いてくれた

柊二の温もりが 私を支えてくれる

 

フワフワと舞い散る雪が 心の奥まで包むように 2人に降りそそぐ

もっと 梨湖の近くにいたいから 僕はずっと梨湖の手を離さない

2人でクリスマスツリーを無言で眺めていた

花火が上がってる間は 梨湖花火に釘付けだった

でも 「柊二 柊二」と花火の打ち上がる間隔が開くたびに 満面の笑みで僕を振り返る

 

キラキラと煌めく雪が 聖夜の全てを包む

僕は 梨湖と甘く優しいキスをして 言葉を紡ぐ

「梨湖 これからもずっと このままで・・・」


END


今回の函館ストーリーは、いかがだったでしょうか?

梨湖と柊二というキャラクターは、東日本大震災やコロナ禍を過ぎ、ようやく13年ぶりに函館へ旅行した時に感じた物語から生まれました。

もちろん命名はぴいなつちゃんですが、その後の箱館ストーリー・クリオネ文筆堂物語で美蘭さんが朗読してくれ、梨湖と柊二がイメージ化されました。

梨湖と柊二は自分でも好きなキャラクターであり、前回の函館旅行の際に真っ先にストーリーが浮かびました。

今回は大学を卒業して函館に戻った梨湖と、仕事を辞めて一緒に函館へやって来た柊二が、函館でクリスマスを楽しんでいるという物語です。


函館ストーリーを楽しみにしてくれている、ぴいなつちゃん。

函館ストーリーのキャラクターに生命を吹き込んでくれる、美蘭さん。

いつもクリオネ文筆堂を応援してくれる、ロードさん。

そして、函館ストーリーを愛してくれている、皆さん。

メリー・クリスマス!

どうぞ、素敵なクリスマスのひとときをお過ごし下さい。

そして、良いお年をお迎え下さい。

いつもありがとうございますm(_ _)m