こんな夢を見た…

気がつくと、僕は海岸に佇んでいた…


透き通るエメラルドグリーンの美しい海の色、わずかに残る白い砂。

そして芸術的とも言えるような大きな岩が立つ海岸に立ち、穏やかな海を眺めていた。


後ろから声を掛けられ振り返ると、肩まである髪の美しい女性が、にこやかに近づいてくる。

美蘭さんだ!

やがて僕の隣に立つと、美蘭さんは「キレイな海だね~!」とつぶやき、海を眺めていた。


しばらくすると、オジサンがやって来て、この先に水族館があると教えてくれた。

「水族館?」僕らは同時に声を上げると、顔を向け合いお互いに大きく頷き、「行こう!」と同時に声を上げた。


海岸を離れ、駐車場に行くと2台の車がある。

僕の車と美蘭さんの車だ。

美蘭さんの車は、オサレな外車でその雰囲気が美蘭さんにとても似合っていた。

夢を見ているはずの僕は、《どーして、車が2台なのだ?1台でいいじゃないか》とブツブツと文句を言っている自分がいる。

つまり、夢を見ているもう1人の自分がいて、本当の自分がその夢を見ていたのだ。


やがて、2台の車は美蘭さんを先頭に走り出し、途中で屋台が並ぶ町に着いた。

美蘭さんが車を停めて降りていくので、僕も車を停めて降りた。

ちょうどお腹も空いたな~などと思いながら歩いていくと、そこはまるで水族館の中にいるような町だった。

水族館にドーム型のトンネル水槽があり、左右だけでなく天井も泳ぐ魚を見ることができる、あのトンネル型の超巨大な水槽の中に屋台が並んでいた。

「わぁ~!」と言いながら、僕らは天井をゆっくり泳ぐ魚を見ていた!

すると…


「もう~遅いよ!」と声がする。

ぴいなつちゃんが、口いっぱいにモグモグしながら海鮮丼を食べていた。

「ごめんごめん…」と謝る僕、微笑む美蘭さん、口を尖らせながらも食べることをやめない、ぴいなつちゃん。

「水族館って、この事だったんだ」と、僕は美蘭さんに向かって話すと

美蘭さんはニッコリと笑いながら、「えぇ。ぴいなつちゃん、それ美味しい?」と話す。


「水族館?ナニソレ?」と言いながらも、僕らにメニューを渡し、「次は何たべようかな~」と鼻歌交じりにウキウキ顔だ。

「まだ、食うのか?」と呆れる僕…

「だって、遅れた罰としておごりだもん。いっぱい食べなきゃ~」


と、ここで儚くも目が冷めた。

どうせなら、その水族館のある町?の海鮮丼を食べたかった。

きっと新鮮で美味しいだろうな(笑)