チャチャ登りから、函館聖ヨハネ教会へと続く石畳が好き。


私はポケットの中で咲いていた、彼との想い出を風の中で散りばめた。
ひらひらと、想い出が枯葉と一緒に舞い上がる。


ポプラの梢には風が駆け抜け、薄紅色がそよぎだす。
落ち葉が、足元を走り抜ける。


道には、もの思わしげなコスモスが、そっと風に揺れていた。

「そんなに見つめないで!」

私は、涙声でコスモスにそっとつぶやいた。