この物語の主人公は、全編を通して一人の男性。

そして、いろいろな名車(全て古い外車)を乗り継ぎながら、一台の車に対して一人の女性が登場する!

古い車なだけに、やがてはその車と別れる事になるのだが、車と同時に恋も終わってしまう。

そして、新しい車と共に新しい恋が始まるのだ…。

しかし、その恋は軽薄ではなく、いつも真剣に女性に向き合う主人公に共感する。

車の知識が無くとも、気軽に読める短編集だ。

そして…

その都度、車と主人公に絡む女性たちが魅力的なのである。

 

都会という、クリスタルな雰囲気と孤独感のある生活。

この物語に書かれている感情は、誰もが持っているものだろう。

「書いていてこんなに楽しかった小説は無い」という作者のあとがきにもあるが、男性も女性も楽しめる大人の青春小説である。