こちらは、「ぴいなつ作品」です!ぴいなつちゃんの作品を紹介しています。


ぴいなつちゃんの新作、函館ストーリーが完成しました!

今回のテーマは「パワーストーン」だそうで、魔女っ子ぴいなつの本領発揮という感じです。

前回は、僕の原作「100%コットン」をアレンジしましたが…

今回は、全てがオリジナル作品で、僕はあくまで監修ということになります。

それでは、どうぞお楽しみ下さい!



函館ストーリー「汐風の口笛は、ローズ色の言葉」

 

ベイエリアにある赤レンガ倉庫に、パワーストーンのお店が新しくできたので

わたしたちはお店の入口で待ち合わせをした。 

《ゴメン、ちょっと遅れそう》

彼からメールが入った。

《オッケー!じゃあ、先にみてるね》

 

わたしは、彼に返事を返しながらお店に入ると、ズラリと並ぶ石たちを眺めていた。

そこで…

目が合った。

とあるピンク色の石と。

どうしようもなく、惹かれる…。

そんな感覚だった。 

こういうのを選ぶときは、直感にしたがったほうがいい。

これが、わたしのポリシー。

彼が到着する前に、もう決めてしまった。

早すぎ?でもね…

これが、わたしだもんね。

 

そんなことを、頭の中でグルグルと考えていたら、目の前に彼が立っていた。

「まさか、もう決めたとか?」

「ふふふ、バレた?」

「だと思ったよ!ほんと、直感型だよなぁ…羨ましいわ。僕は悩んで決められないタチだからさ」

「だからちょうどいいんじゃない?わたしがウッカリ暴走したら止めてくれるでしょ?ふふふ」

彼は満足げに、照れ笑いを浮かべた。 

「コレで、おねがいしまーす!」

わたしは、一目惚れしたピンク色の石の指輪を手に取ると、彼に《薬指にはめてね》とばかりに左手を差し出した。

彼の手が、ちょっとだけ震えていた。

 

そういうところが、とても愛おしいと思う。

「この石とね、目が合っちゃったの。そしたらね、もうどうしようもなく惹かれちゃって…。インカローズっていう石でね、これを持っていたら、バラ色の人生になるんだって!あとね、ずーっと可愛らしく魅力的な女性でいられるんだって!いいでしょ、いいでしょ?」

「どうしようもなく惹かれるって、それは僕が詩織に出会って最初に想ったことだよ・・・。」

小さな声で彼が呟いた。

「ん?なになに?」

「い、いや、なんでもない」

ふふふ。ホントは聞こえていたけれど、もう一度、言って欲しくて聞こえないフリをした。わたしって、いじわる? 

彼が会計を済ませてくれ、そのあとベイエリアを2人で手を繋いで歩いた。

薬指には、インカローズの指輪が輝いていた。

シンクロするように、夕暮れの空はバラ色に染まっていた。

赤レンガ倉庫のイルミネーションが灯るころ、彼が急に立ち止まった…

そして、彼がわたしの耳元でそっと囁く。

「どうしようもなく詩織に惹かれるから、結婚してください」

プロポーズの言葉は、汐風の口笛のように静かでローズ色に輝いているようだった。

わたしは、彼の手をギュッとにぎって、大きく頷いた。


《彼の隣で、ずーっと、可愛らしくいられますように》

わたしは、インカローズの指輪に、そう祈った。


END