宝来町のカフェで、僕は紙ナプキンに、ある計算をしていた。

それは、冬果との喧嘩した回数だった。

でも、いつも僕が負けていたけどね。

計算が終わり、水を飲んだ。


昔の蔵を改造した、喫茶店ひし伊。

僕たちは、よくこの店で待合わせをする。

この店の2階席がお気に入りなのだ。


そろそろ、冬果がやってくる時間だ!

僕は、いつものコーヒーとワッフルのセットを注文。

冬果は白玉抹茶クリームあんみつが好きだから、一緒に注文しておこう。


ギシギシと音がする階段…
どうやら、冬果がやって来たようだ。
僕は紙ナプキンを、そっとポケットにしまい込む。