去年の夏に、あの人がプレゼントしてくれたサンダルがある。

けっきょく一度しか履かないまま、彼とは別れ、そして夏も終わった。

その時に撮った写真と一緒に、箱に入った去年の夏のサンダルが出てきたのだ。


1年前の写真には、去年の笑顔の私と去年のサンダルが写っている。

ちょうど1年前の同じ季節…

あの人が金森倉庫の雑貨屋で買ってくれたサンダル。


「確立は10%、雨の心配はありません!」

FMいるかのアナウンサーが、函館に夏が来たことを告げた。


私は、去年のサンダルをゴミ箱に入れて家を出た。

「確立は10%、雨の心配はない」

そう呟きながら、私は今年の夏のサンダルを買いに行く。