これは、僕が大学時代の話である…

友人が「最近、金縛りにあい眠れない」とぼやいた。

話を聞くと、急に金縛りにあうようになったという。

その事で思い当たるフシはないと。


しばらくして、「金縛りにあうと、壁から白い手が出てきて首を絞められた」と話す。

「お願いだから、夜に泊まりに来てくれ」と、言われた。

他に2人に声を掛け、その友人のアパートに行った。

当時、私は心霊現象を調べたりしていて、ある面白い方法を知った。

≪幽霊は、静かな環境を好み、騒がしいのを嫌う≫という…

さっそく、それを試そうと映画のビデオを持って行き鑑賞会をした。

4人がテレビ画面に釘付けだったが、あえて映し出される映像にケチをつける感じで騒いだ。

他のみんなも、一緒になって騒ぎ出した。

やがて騒ぎ疲れ、その場に川の字になって寝た。

 

誰も金縛りにあわず、白い手も出なかった。

朝になり「除霊終了」と僕は言い、われわれはアパートを後にした。

その日から、友人は金縛りにあわず白い手も出なくなったという。

友人に言わせれば、その白い腕は細く長い指の女性の手だったそうだ。

 

これには後日談がある…

どうしても納得がいかない彼は、この事を大家に話した。

すると、彼が入居する数年前に一人の女性が住んでいて、男に首を絞められるという事件があったという。

しかし、ケガはなかったが、事件の後その女性は退去したそうだ。

部屋は彼の部屋からは、離れた部屋だったという。

この白い手は、彼女の生霊?

とでも、いうのだろうか…