クリスマスの夕暮れ、リビングの温度は7℃だった。

オレンジ色の光が部屋を少し、暖めたようだ。

 

僕は、暖房のスイッチを入れ、軽く掃除をした。

外は、雪が降り出しライトアップされた洋館が幻想的に輝いている。

「悪くない」

僕は、カーテンを閉めずそのままにしておいた。

 

しばらくして、彼女がやって来た。

時計を見ると、約束のちょうど19時だ。

彼女がやって来て、僕の心の温度はさらに5℃上がったようだ。

 

カーテンをそのままに、マッチを点けた。

20秒のマッチの明かりの後、キャンドルに火が灯る。

元町にある教会が、先を競うように鐘を鳴らす…

 

「メリークリスマス」

二人で静かに、乾杯をした。

しんしんと降る雪、鳴り響く鐘の音、それが今夜のBGMだった。

二度目の乾杯の後、僕たちは静かに見つめあった。