こちらは、「ぴいなつ作品」です!ぴいなつちゃんの作品を紹介しています。


ぴいなつちゃんの函館ストーリー」の新作が届きました!

今回は函館にある護國神社」がテーマということで、何やらミステリアスな物語?

かと思いましたが…

縁結びで人気な神社という事から、可愛いラブストーリーに仕上げていました。

そして、ぴいなつちゃんが就活でお参りをした後に無事に仕事が決まった!という、とても素敵なエピソードがある神社だそうです。

また護國神社は新しいGLAYの聖地として人気のスポットでもあり、このエピソードを作品に入れたいという、ぴいなつちゃんの想いが作中に生かされ、作品からもGLAYのメロディーが聴こえてきます。

それでは、ぴいなつちゃんの「函館ストーリー」をお楽しみ下さい!


函館ストーリー「SINGING AFTER THE RAIN


僕は、転勤が多く住まいを転々としていた。

その度に、彼女とは離れることになり寂しかったけれど、逆に絆は深まっていった。

やっと慣れて落ち着いた!と思った頃に、辞令がでる…。

そんな、やりきれない気持ちを和らげてくれたのは、彼女の言葉だった…

「それはね、宇宙からのサインなのよ!《次に進むときですよ。もう一段、高いところに上がりなさい》って、言っているのよ」

僕は、彼女の導きにしたがって流れに身を任せ、今ここ函館にいる。

 

初めて訪れたのに、なぜか懐かしく感じた函館の街…

なかでも元町や西部地区は、異国情緒が色濃く残るレトロな場所だった。

彼女は、そんな函館の街が好きになり休みのたびに幾度となく僕を訪ねて来た。

 

どこまでが空で、どこからが海なのか…

そんな見分けがつかないほど晴れた、ある日曜日の朝。

僕らは、函館山のふもとに鎮座する護國神社にいた。

縁結びで有名な神社で、鳥居ごしに見下ろす函館の街並みが素晴らしかった。

 

護國神社の境内に入ると、急に小雨がちらついた。

「すごーい!神社で雨が降るのはね、神様から歓迎されているって意味があるんだって」

「そうなんだ!さすが、詳しいな」

僕は、彼女の目を見つめると…

「もう、ここに碇を下ろそう」

と、言った。

大好きな函館の街で、転勤のない仕事に就く決意をしたんだ。

「わたし…どこにいても、あなたさえいてくれたら幸せだけど…やっぱり、この街が好き」

彼女は穏やかな笑顔でそう言うと、僕の腕をつかんだ。

 

《もう、迷わない。ここ、函館の街を僕たちの安住の地にします》

僕は、本殿に向かい両手を合わせ、そう誓った。

その後に引いたおみくじは、中吉だった。

ちょっとガッカリする僕に、彼女が言った。

「これからは、わたしとずっと一緒に暮らすんだから、それが大吉でしょ?」

「そ、そうだよね…」

「恋を実らせたいときって、好きな人の言動に一喜一憂して、心の余裕を失ってしまうのよ。だから、わたしはここで神様に誓ったの」

思いがけない、彼女からの逆プロポーズだった。

彼女がそばにいてくれたら、僕の人生はこの先、何があっても大丈夫…そう強く思った。

 

僕たちは、この半年後、入籍をした。

そして護國神社に2人で報告に来たんだ。

その日も、一瞬だけ、小雨がぱらついた。

「祝福の雨かな?」

僕の女神が、ニッコリと微笑み…

「ここはね、GLAYがライブの成功を祈願し函館の発展と繁栄を祈って絵馬を奉納したんだって!もちろん、わたしたちも書くでしょ?」

彼女が書いた丸っぽい可愛い文字の横に、僕は力強く《いつまでも幸せに暮らせますように》と書いた。

そして彼女は、 GLAYの「逢いたい気持ち」のメロディーを口ずさんだ 

それは雨上がりには最高に素敵な歌だった。

 

END


ぴいなつちゃんの就職エピーソードから生まれた新しい物語、いかがでしたでしょうか…

これを読むと

函館に行きたくなりませんか?

GLAYの歌を聴きたくなりませんか?

護國神社はパワースポットとしても有名な場所ですが、ぴいなつちゃんのエピソードにも

あるように、縁結びだけでなく多くのご利益があり、この物語を読むだけで幸運を得ることが出来るでしょう!


では、護國神社」について補足しますと…

函館護國神社は、戦争殉難者を祀る神社で箱館戦争から太平洋戦争に至る北海道南部の戦没者の方々を祀っており、全て庶民出身の兵士の方や、少年飛行兵・少年戦車兵といった十代で戦死された方、従軍看護婦として戦死された若い女性の方々で、そ『御祭神』の多くは独身だったことから、若い方の参拝が最善と考えその結果、若い女性やカップルの参拝が増えていくこととなり、現在では『縁結びの宮』として定着したそうです。

また、作中にもありますが、近年はGLAYファンの聖地としても有名で多くのファンが訪れる場所となっていて、GLAYが奉納した絵馬もご覧いただけます!